私自身が実践した2ヶ月の勉強期間で111回医師国家試験に合格した体験談です。割と、一般的にダメだと言われていたこと(以下青文字)も一通りやりました。
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0.諸注意
×「とりあえず受かってから頑張る」人向け
ネット講座で数ヶ月かけてしっかりと病態生理から治療内容まで勉強してきた人に比べると、今回紹介するのは「国試に受かる最低限の勉強法」であり付け焼き刃にすぎません。しかし、働いてから実感する通り、学業にて成績優秀な人が必ずしも職場で優秀な訳ではなく、(もちろん知識もやる気もある人は効率よく仕事をこなしています!)結局、長い医師人生において重要なのは働き始めてからの勉強と忍耐力だと感じています。そういう意味では、国試はとりあえず受かる!というくらいの意気込みでも十分だと私は思っています。
とはいえ、付け焼き刃で国試受かって、そのまま転落医師人生では、この勉強法を紹介した手前私も後ろめたさが残るので、この勉強法を実践する皆さん、働き始めてから楽しく忍耐強く医者人生を頑張ることをお約束ください!!
×勉強開始時点の知識量・集中力には個人差あり
開始時点で、卒業試験に合格してから1ヶ月経っている(国試の勉強を開始するまでは全く勉強はしていなかった)など、元の知識量を正確に比較するのは難しいので全部を鵜呑みにしないようにしてください。
×メジャーな勉強法ではないです
国家試験勉強における鉄則である「他の人と同じことをする」から少し外れた勉強法です。なぜなら、みんなは計画的に予備校のネット講座で数ヶ月前からコツコツ勉強しているからです。あくまで、こうゆう勉強の仕方もあるのか・・・くらいで参考にしてください。
1.使用した教材
・QB全冊(QB online使用のために1〜5巻は必ず揃えます)
・イヤーノート
・レビューブックマイナー
・レビューブック小児科
・レビューブック産婦
・レビューブック必修禁忌
・レビューブック公衆衛生
・TECOMラストV
・冬メック、テコ3、テコ4
・2ch 医師国家試験 偏差値30掲示板(※)
※絶対に見るなとあらゆるところに書いてありますが、ここにいる人達は言わば受かるか落ちるかの瀬戸際にいる自分にとってライバルであり同志です。みんなも最後追い込みで頑張っているので、モチベーション維持に結構良かったです。
2.勉強方法
・QB online で回数別を10年分古い順番から2周解く
・過去3回分は分からないところがなくなるまで調べる
・公衆衛生QB、必修QBは全部解く
・11月以降の模試は全部受ける
・模試で間違った問題を確認する
・前日にラストVを受講(唯一無二のネット講座)
3.国試までの過ごし方
☆ネット講座歴0時間(購入すらしてません)
☆卒業試験が11月上旬に終了
☆テコ3(11月下旬)を受験(卒試受験後1ヶ月勉強なし)
☆国試対策を始めたのは12月から
12月
・過去3年分を冊子で解く
→1年分を2日くらいのペースで。間違ったところは解説冊子に必ず付箋でチェックしておく。
・過去問10年分1周目をQB onlineで解く
→1年分を2日くらいのペースで。間違った問題や意図すら理解できなかった問題に関しては解説をちらっと確認しておく。
・公衆衛生QB、必修QBは全部解く
→空き時間や移動時間に、スマホにもQB online入れるなどして工夫して潰していく
・冬メック
1月前半
・過去問10年分2周目をQB onlineで解く
→1年分を1〜1.5日くらいのペースで解く。10年分を1度全部解くと何度も見たことのある問題がほとんどになるのでサクサク解き進めることができると思います。2周目は理解できないところをイヤーノートやレビューブックなどの参考書類で調べ確認し、参考書に付箋を付けて直前のチェック項目にする。
・テコ4
1月後半
・過去3年分を丁寧に解き直す
→前年度分はQB上に分からないトピックや単語がなくなるくらいまで参考書で調べて付箋付け直前に確認できるようにしておく
→2年前、3年前は理解できなかったところなどを中心に
・過去に受けた模試の見直し(簡単に)
2月
・最後1週間はイヤーノート、レビューブックの読み込み
→過去問で慣れて国試で問われるポイントがよくわかるのでポイントをチェックして大事なことを端に自分でペンで書き出したりして印象づけていきます。
・精神を安定させる
→直前期はどんなにメンタルの強い人でも折れそうになります。食欲なくなったり、夜眠れなかったり、不安が先行して集中できなかったり色んな弊害に邪魔されます。友達や家族と外食に行ったり息抜きしてリセットする時間を作るのは想像以上に重要です。私はここで人生で初めて「息抜きが大事」という言葉を理解した気がします。
・ラストV
予備校の講座は全く使用しませんでしたが、前日だけラストV受けました。過去問10年分もやってればわからないことほとんどありませんので、すごく自信になります。そして、全教科を復習できるのでその都度自分の中でこの疾患はここが問われる!みたいなのをテキストに落書きするみたいな感じにして、授業を聞いていました。
・メックラストメッセージは見なかった*
※直前期に友人と会ってメンタルを乱したくなかったので私は見ませんでしたが、余裕があればメックのラストメッセージを見るのも良いかもしれません。
本番中
・答え合わせした*
※自信のない人、精神的に弱い人はやらない方が良いと言われています。結局、その日の試験の正答が気になり勉強が手につかなかったので、終わったその足で「みんコレ!」というサービスに自分の解答を登録し、正確にではないが自分が何割くらい他の人達と同じ解答ができたかを確認。もっと精神が乱れると思ったが、以外と点数がよく自信になった。手応え悪かったとしたらお勧めできない。
・その日の復習
→「あーなんだっけこれ」とやったはずなのに思い出せない&自信がない問題のみイヤーノート・レビューブックで確認
→全くわからなかった問題、「なんやこれ」と思った問題はスルー
・KSR、MTMの予想メールの確認
→国試対策員から回ってくるかと思いますが、これは受験生ほぼ全員がチェックしているので読む方が吉です。111回はMTMはほとんど当たりませんでしたが、KSRはそこそこ当てていました。
4.成績の変遷
卒業試験再試11月末に終了
テコ3 偏差値34 (受験日:11月22~24日)
冬メック 偏差値38 (受験日:12月10~12日)
テコ4 偏差値43 (受験日:1月4~7日)
本番
必修90%(合格基準80%)
一般76%(合格基準64%)
臨床78%(合格基準63.5%)
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5. 過去問10年勉強法の利点・欠点
利点
☆過去問10年分一周するだけで模試の成績がぐっと伸びる
過去問を10年分解いただけで飛躍的に成績が伸びます。なぜなら、国家試験も予備校の模試も、その出題のほとんどは過去問の焼き直しだからです。国試では過去問と全く同じ問題も数問出題されます。過去問を何年分やれば良いのか?というのは国試対策において必ず議論されるところではありますが、私の感触だと大まかに60%の人達は5年分、20%は3年分、20%が6年分以上ってところだと思います。私は10年分やることをおすすめします。国家試験を解く練習になるのはもちろんのこと、6年以前の問題が出題されることもあるからです。今年もそうゆう問題があり、5年分しか解いていない人が議論している問題も、10年分やってる人間からしてみれば「過去問どおり」で終了です。
☆個人的にとても効率が良いと思う
もちろん、予備校の授業も過去の出題を元にした内容となっています。私的には同じ問題を解くのに、予備校から提示されたテキストで長々と受け身で講義を聞くよりは、自分が問題に対峙したときに自主的に解法を読み参考書で調べたほうが知識として定着しやすいし効率もよいと感じました。私はめんどくさくてやりませんでしたが、自分なりに覚えにくいところや間違えやすいポイントをノートしていくのも良いと思います。
☆余計な情報(バイアス)が少ない
国家試験の過去問中心の勉強になるため、国家試験レベルで国家試験に必要とされている知識と解法のみを吸収できる。予備校講師の予想や考えなどの余計な雑念がない。国試中には「MTMが言ってた!」とか「KSRを信じた!」というセリフをよく聞きます。あえて言えば、私はメディックメディア(QB、イヤーノート、レビューブック)を信じたことになるのでしょうが。
欠点
☆周囲に脅される
みんな大抵はメックかテコムを受講しているわけだけど、どちらにも属していないというと必ずといっていいほど「みんなと同じことしないやつは落ちる」とか言われます。でも結局やっていることは過去問中心の勉強なので別に違うことやっていませんよ。
☆なんだか不安になる
とはいっても、やっぱり不安になります。けど、結構大丈夫なもんですよ。
☆入職時知識が抜け切ってる
やはり付け焼き刃、国試後1ヶ月半勉強をしていないと全く頭に知識が残っておりませんでなかなか最初の頃は苦労しました。
6. 最後に
前述の通り、直前期のメンタルコントロールは非常に重要です。
ちなみに、私は体調不良で1月半ばに1週間ほど全く勉強できない期間がありました。その後、とてもメンタルブレイクしました。それでも合格はできましたが、直前期で大事なのは量にかかわらず勉強行為を1日たりとも欠かさないこと。1日くらい勉強しなくたって対してライバルに差をつけられるということはないだろうが、自分の精神の不安定要素になるので。
必要なものは揃えよう
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